ディストピア元年?

正月早々、トランプがやってくれました。
ベネズエラを強襲し、大統領夫妻を拉致してアメリカに連れ去った事件です。
ベネズエラの大統領はひどいワルで、国民の中には今回の出来事を歓迎する人も多いそうです。
アメリカ大陸に進出してきた中国にとっても大打撃でしょう。
だとしても、独立国のトップを軍事行動で強引に拉致してアメリカの法律で裁くと言うのは、いくら何でも乱暴です。
私は、たとえ目的が正しくても、手段が間違っていたらその行為はダメだと思います。
なぜなら、手段はいつかは目的を裏切るからです。

なぜベネズエラ?と当初思いました。
これに対するトランプのコメントは、「アメリカは西半球の地主(盟主)だから、アメリカにたてつくことは許さない」でした。
そして、北・中央・南アメリカとグリーンランドは西半球に属すことをもってアメリカの支配下に置かれるべきだ、拒否すれば軍事力を使うことも辞さない、とも。
彼はこれをモンロー主義をもじって「ドンロー主義」(ドはトランプの名前からとった)と呼びました。
小泉悠『「帝国」ロシアの地政学』に述べられていたロシア流の主権国家の概念を彷彿とさせます。
これは少数の大国が世界を分割支配する世界観で、必要とあらば隣国の主権を制限することも正当化されます。

本年をもって世界はディストピアへの道を走り出した、と思いました。
第二次大戦後に作り上げた平和の秩序は崩壊し、世界は力のある者が仕切る弱肉強食の空間に変貌していくでしょう。
ディストピアはこのような政治手法の凶悪化だけでなく、環境破壊の激烈化やAIとテックビジネスによる公共財の破壊においても見られるに違いない寒々とした光景です。

残り少ない時間、このドラマの成り行きを見つめたいと思います。

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