パタゴニア
言わずと知れた登山用品メーカーです。
私もここのウエア(キャプリーン)の大ファンで、過去何着も手に入れてお世話になりました。
最近、パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードが日本円で3,900億円と言われる持株の大半を環境保護団体に寄付をしたことで話題になっています。
彼の名を知ったのは古く、私がロッククライミングをしていた頃で、その頃の彼はカリフォルニアでハーケンやチョックなどのクライミング用品の製造販売を行なっていました。
つまり鍛冶屋さんだったわけで、会社の名前は「太平洋鉄工所」(Great Pacific Iron Works)でした。
その後、彼はサーフィンでも有名となりましたが、いつの間にか登山ウェアを作る会社パタゴニアを創業していたんですね。
私はパタゴニアがシュイナードの会社だとは長い間知りませんでした。
彼の自然を大事にする哲学は筋金入りで、こんなふうに語っています。2011年のブラック・フライデーで「このジャケットを買わないで」という奇抜な広告を出したことについてです。
衣料品の会社にできる最も責任ある行動は、服を長持ちさせることだ。だから「このジャケットが本当に必要なのか、考えてみてください」と訴えた。必要で買ってくれたのなら、その商品を永久に保証する。不具合が出たら修理する。体型が変わって着られなくなったら、買ってくれる別の人を探す。使い古されて完全に使えなくなったら、送り返してほしいというメッセージだった。
パタゴニアは本当にこれ↑をやっていますね。
彼の生活は質素で、飛行機はエコノミークラス、自動車は中古、小さな家に奥さんと五十年以上も暮らしているそうです。奥さんは初代プリウス!にまだ乗り続けているとのこと(私も初代プリウスのユーザーでしたが、もう3代目です)。
彼のヒーローは坂下直枝の父親だと聞いて驚きました。
坂下直枝はあの山岳同志会で小西正継と共に活躍した最強の登山家ですが、青森に住んでいたそのお父さんは、退職してから魚を釣り、山菜を取り、最低限のもの(米、味噌など)を買って一ヶ月200ドルで暮らしていたのだそうです。
そんな暮らしがシュイナードの理想なんだそうです。
シュイナードは現在84歳ですが、ウエットスーツに身を包んでサーフボードを手にしている近影を見ると、若々しく健康そのものです。その姿を見ると、とても勇気づけられます。
私が若かりし頃、初めて買った太平洋鉄工所のロックハンマーは、今でも私の宝物として大切に保管されています。
たっぷりとオイルを染み込ませたヒッコリーの柄には、赤字で
CHOUINARDMADE IN USA
と刻印されています。
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