プリゴジンの乱
昨夜はネットに振り回されてよく寝られませんでした。
ロシアで内乱が起きたというニュースのせいです。
ワグネルのプリゴジンが反旗を翻し、ロシアのある町の空港と軍事施設を占拠したという報道に続き、そこから北に向けて前進し、沿道の見物人から声援が送られているだの、あっという間にモスクワから南500kmのヴォロネジにまで迫り、やはりそこの全軍事施設を占拠したというのですから、興奮するのも当然です。
テレビでもこの事件を取り上げていましたが、その内容は「ワグネルに反乱の疑いがあり、警察がワグネル本社の捜索に入った」というもので、全然緊迫していません。
これに対しネットでは、モスクワまであと何キロだとか、副首相が飛行機で逃げたとか、プーチンもどこかへ雲隠れしたとか、モスクワの主要道路が封鎖され戦車などが出て警戒に当たっているなど、いかにもプリゴジンの乱と言った内容なので、テレビはダメだなあと思いながらベッドの中で深夜までiPadで情報を追いつつ、いつの間にか寝落ちしていました。
ところが朝になってニュースをチェックしたら一転、プリゴジンとプーチンが手打ちしていて、プリゴジンはベラルーシに入り、反乱罪には問われず、捜査も中止、プリゴジンの乱は終わったと知らされました。
ネット情報も、その多くは例によってガセでした。
胸熱の展開に期待していた私は肩透かしを喰らい、昼近く( ^^! )まで二度寝してしまいました。
ひょっとしたら、という夢想は儚く打ち砕かれたのです。
でも、この事件はひょっとしたらロシア社会に小さなひび割れを起こし、それが近く大きなひび割れに成長してやがて現体制の崩壊につながる・・・かもしれないと、私はまだ諦めきれずにいます。
もう一つ思ったことは、剣はペンよりも強し、という現実です。
ヤクザの親分みたいな下品なプリゴジンですが、ここまでの動きができたのは自分の軍隊を持っていたからです。そして、彼の天敵であるショイグ国防省とゲラシモフ参謀総長は彼の望み通り更迭されたそうです。
いくら正論を極めても、それに暴力が伴わなければ現実を動かすことは難しいというリアリズムには、毎度のことですが打ちのめされます。
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