ジャニーズ事件
先週、ジムの帰りに車の中でテレビを「聞いて」いたら、誰かが言葉を荒げて「あなたもやっていたんじゃないのか」と追求していました。ジャニーズ事務所の社長交代に関する記者会見でした。
帰宅してわかったのは、現在のジャニーズ事務所の社長である藤島ジュリー景子社長が引責辞任し、後任に東山紀之というタレント(ヒガシと呼ばれている)がなるという内容の発表でした。
東山紀之はテレビで何度か見たことがありますが、大きな芸能プロダクションの社長になれるような人なのかと驚きました。
恥ずかしながら、と言っても全然恥じてはいませんが、私は芸能関係については全くの「音痴」で、ジャニーズというのが何なのかほとんど知りませんでした。
ジャニー喜多川というのは日本人なの?どうして名前がジャニーなの?あの一族は他にもメリーとかジュリーとか混血のような名前なのはどうして?ジャニーズには男の子しかいないの?・・・・・・・
に始まる一連の質問に、家内は心底うんざりした風で、後はネットで調べなさいと冷たく言われてしまいました。
事件の経緯を時系列でまとめると以下のようになります。
- 1960年代からジャニー喜多川の性加害始まる
- 1988年:『光GENJIへ』という本で最初の暴露
- 1999年10月から:『週刊文春』のジャニー喜多川問題キャンペーン
- 2002年5月:東京高裁がジャニー喜多川の「淫行行為」は「事実」だと認定
- 2019年7月:ジャニー喜多川は89歳で死亡
- 2023年3月: BBCがジャニー喜多川の少年たちに対する性加害(疑惑)と日本社会の「沈黙」(見て見ぬふり)を大々的に報道
- 2023年4月:ジャニーズJr.のメンバーで現在もアーティスト活動を行っている男性が外国特派員協会で会見し、みずから体験した性被害を告白
以後、ようやく報道が解禁される。
最初の暴露から35年。一説では、これまでジャニー喜多川の毒牙にかかった少年たちの人数は数百人!に上るそうですが、ジャニーが性加害を始めてから何のお咎めもなく60年も経てばそういう結果になるのは当然です。そして、それを止められなかった責任の大半はメディアにあると思います。
だって、彼らは何も報道しなかったのですから。
外国メディアでなければ、しかも本人の死後でなければ扱えなかったのですから。
ジャニーの性加害疑惑は、日本社会における第一級のタブーだったんですね。
これまでの報道自粛は、総務省事務次官や電通副社長などを務めた嵐の櫻井翔(ジャニーズ所属)の父親の権勢もあるのでしょうか。しかし、ことここに至ってもなお櫻井翔が「news zero」(日本テレビ)のキャスターを務めていること自体が、ル・モンド紙の指摘するように異常だと私は思います。
それにしても、記者会見でのあの激しい追求は何だったのだろうと思い、もう一度ニュース記事に当たってみたら、東山紀之新社長自身が同様の性加害をしていた疑惑があるということでした。
二度ビックリ。
引用するのもはばかれるのですが、こんなやりとりがありました(私が車の中で聞いたのはここ)。
記者「あなたは「電気アンマだとJr.の少年たちの股間を足で刺激したり、自分の性器を見せて僕のソーセージを食えと発言したというのは事実か?」東山(しどろもどろ)「したかもしれないし、していないかもしれない。自身の記憶を呼び起こすのは困難」
まるで悪徳政治家のセリフです。そして、東山紀之新社長はジャニー喜多川のコピーであることが暴露されました。彼は過去に、若手に対して何かあると「ジャニーさんに抱かれてこい」と言った、ともあります。
追い討ちをかけるような情報もありました。
- 東山紀之はジュリーと肉体関係を持っていた
- ジュリーが東山を新社長に推した
- 事務所の株はジュリーが100%保有
だから、出直しなのに社名も変えないのか!
この追求をしていたのは、有名な東京新聞の望月記者だったそうです。
実は、私はこの人好きではありません。一方的だし、礼を欠く程度に強引だし、しつこくて冗長だし。でも、今回の会見を見ていて、その破壊力は素直に認めざるを得ませんでした。文春とかこういう人とかがいなければ、タブーはいつまで経ってもなくならず、逆に手がつけられなくなっていくからです。
国連も動くような世界中が注目する犯罪企業ジャニーズに対し、今後の世間の追及を「重大な関心を持って注視」(笑)していきたいと思います。
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