米大統領選の行方

依然として行方は全く不透明です。
トランプ銃撃事件は「確トラ」状態を生み出しましたが、それはあくまでMAGAグループ内でのこと。米国民全体としては民主・共和半々である状況はそれほど変わっていません。
決めるのはここでも無党派層のようです。

銃撃から奇跡の生還を果たしたトランプは、一時精神的な高揚を見せ、自分は「米国の半分ではなく、全体のための大統領になる」と述べました。指名受諾演説の出だしの部分では、いつものトランプとは別人のような静かで超越的な悟ったような雰囲気で語り始め、観ていた私はこれはトランプで決まったかと思いましたが、その後興奮してくるといつもの調子に戻ってしまいました。あれはもったいなかったと思います。
最初の調子を持続できれば、無党派層の票もごっそり取りこめたのに・・・。

民主党の方は、ようやくバイデン爺が降板することに同意しましたが、じゃあハリスなら勝てるかと言えばそんなことはないと思います。この人、メディアは一生懸命持ち上げていますが、魅力に乏しく花がないと感じます。
政治家としての実績もないし。
(容姿のことは言いませんが、私はちょっと・・・。)

まだ三ヶ月以上ありますから、これから何が起こるかわかりませんが、トランプ側のリスク(地雷)としてはなんと言っても副大統領候補のヴァンスでしょう。
この人、変節漢で信用ならず、どこかで失言してトランプの足を引っ張りそうな気がしてなりません。例の「子供のいない猫おばさんたち」は「みじめな人生を送っている」と言う発言などのことです。
中でも極め付けは「ウクライナがどうなろうと知ったことではない」発言です。この人が原因して米国の支援が半年ほどストップしたため、ロシア軍が反撃に転じて現在のような危機的状況に至ったことを思うと、その見識のなさには身震いします。
プーチンが勝てばお隣の中国が冒険主義に走る恐れがあることが、ヴァンスには見えていないのでしょう。

ただ、ヴァンス氏が何の問題も起こさなくても、トランプその人が問題であることには変わりありません。世界が「もしトラ」で騒いだのも、それを懸念してのことです。
この人の世界観はひと昔もふた昔も前の旧いものです。しかもいくら言われてもそれを修正しようとしない。いまだに日本が集中豪雨のように輸出していて、それがアメリカの労働者を失業に追いやっているなどと思っています。
修正しない(できない)のは、ワガママが染み付いている上に高齢で頭が硬いからだと思います。
以前は安倍元首相とウマがあったため、日本に対しては比較的穏やかに対処してくれましたが、今度は楽観できないと思います。

さらに、この人の得意技は「ディール」で、要するに首脳同士(力のある者同士)が腹を割って話し合い、ここぞと言うときにハッタリもかまして押し切れば決着をつけられる、という流儀です。だから彼はプーチン、習近平、金正恩などの独裁者を相手にするのが好きです。
ウクライナ戦争に関しても、トランプは自分がプーチンとサシで話し合えば停戦合意ができると考えています。ウクライナがそのプランに反対したら支援を止めればいい。そうすればイヤでも停戦せざるを得なくなる、と読んでいる訳ですが、核保有国の横暴を既成事実化する危険性については気にもしていないのに違いありません。

民主党の方は、ハリス自身がリスクだと私は感じています。
検事だから舌鋒鋭くトランプを追い詰めると期待する向きが多いようですが、肝心の政策について何か意味のある発言ができるようには見えません。
レトリックだけでは選挙には勝てないと思うのです。
もっとも副大統領候補に優秀な人(白人男性)を持ってくればわかりませんが。

あと三ヶ月。
世界はどのように変貌するのか、固唾を飲んで見守っています。

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