とがった自己啓発書二冊
ビジネス書といわれる本の中に、自己啓発書なるジャンルがあります。
成功するために必要な能力開発などに関するハウツーものが多いのですが、その種の本を読みたがる心理について考えてみると、自分を一足飛びにスーパーマンにする方法に興味があるように思います。
それだけ現実の自分にうんざりしているのでしょう(笑)。
もちろん、競争の激しい現代社会において、勝ち組として生き残りたいという欲望が背景にあるのは言うまでもありません。だからビジネスマンに売れている。
しかし、中には大真面目に一種の超能力が身につく方法を論じている本もあり、それはそれで結構読んでいて面白いと感じます。
例えば『アインシュタイン・ファクター』と言う本には、右脳を開発する奇抜な方法がいくつか掲載されていて、その中には無意識に記憶された情報を意識化する「イメージストリーミング」や、写真記憶を活用したサブリミナル高速読書術「フォトリーディング」、脳を活性化する潜水術、なりたい天才の"頭をかぶる"「天才借用術」などがあります。
この頭をかぶる方法は、映画「マルコヴィッチの穴」を連想させて面白かったですが、そう言えば北欧ラップランドに住むサーミの社会では、殺した熊の顔の皮をかぶってそのパワーにあやかると言う憑依方法があるそうです(アレクサンダー・フラートンの『Special Dynamics』に登場するユッフ老人もそんなことを言っていた)。
ただし、読後感としては、いずれも一種のキワモノでどこまで本当なのかよくわからないと言う感じです。
これよりもう少し真面目なものとしては、『超加速学習』と言う本があります。タイトルがなんかすごいです(笑)。自分を抑圧しているリミットを外せば、能力は指数関数的に伸びていくのだそうです。
以下、内容を自分のためにメモしておきます。
1.読書について
- 読書は脳へアップグレードソフトをインストールすることに相当
- 読書は最も効果的な「脳トレ」であり、記憶力もアップする
- 読む時間は退屈を回避するために25分で区切るのが一番効果的
- 頭の中で音読するのをやめ、文字をイメージとして視覚的に理解する訓練をすると速読できる
- その時、数を数えながらイメージリーディングすると良い訓練になる
- ゆっくり読まない:短時間に読むよう負荷をかけた方が理解が深まる
- 指でガイドしながら後戻りせずに読むよう努力する
2.高速学習法:FASTERメソッドが有効
F : forget 先入観を捨てる
A : act 能動的に行動する
S : state 感情を活用する
T : teach 教えながら学ぶ
E : enter 予定表に(学習の予定を)書き込む
R : review 復習する
3.脳管理(学習をトップギアに入れる方法)
- 一時間ごとに立ち上がり体を動かす
- 綺麗な環境を保つ(整理整頓)
- 新しいことを学び続ける
- よく眠る(←運動と瞑想が効果的)
- 朝のルーティンをきちんとやり遂げる
4.フロー状態に入るには
- 注意散漫の原因を遮断する
- 邪魔の入らないまとまった時間(30分〜2時間)を確保する
- 自分とって意味のあること(好きなこと)をする
- 目標を明確にする
- ハードルを少しだけ高くする
5.集中するためのTIPS
- シングルタスク
- 整理整頓
- 深呼吸
- 気がかりなことをまず片付ける
- 雑用タイム(集中しなくてよい時間)を確保する
6.勉強法
- 学んだことを小刻みに思い出しながら先に進む(想起学習 Active Recall)
- 復習は少し時間を空けて行うのが効果的
- 正しい姿勢
- 脳全体を使い没入して学ぶ(嗅覚も使う)
- ノートはPCでなく手書きする
7.記憶法
- 関連付けで記憶する(いわゆる記憶術)
- 物語化+視覚化+感情や場所の関連付け
8.デノボの多面的思考法
六色の帽子(想像上の)をこの順に取り替えながらかぶり、そのスタイルで考える
白=情報収集
黄=ポジティブ思考で
黒=難点やリスクにフォーカス
赤=好ましいと思う感情で
緑=創造性発揮
青=管理者モードでまとめる
9.意思決定のメンタルモデル
- 40/70ルール:情報は40%から70%集まった段階で意思決定する
- やらないことリストを作ると気持ちが楽になる
- 間違いの分析
- 次は? その次は? と連鎖的に先を考えリストにする
なお、この本には人が判断を主として視覚による(V visual)か聴覚による(A Auditory)か身体感覚による(K kinethetic)か判定するテストがあったので、やってみたら私の点数はこうなりました。もっとVが多いと思っていたので意外でした。
V=8(イメージで説明してもらいたがる)
A=4(誰かに言葉で説明してもらうのが好き)
K=5(印象や直感で判断するのが好き)
(以上)
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