監視社会への潮流

体調は徐々に持ち直していますが、この季節、あちこちで樹木の伐採が行われ、その音が毎日私を苦しめています。

ところで、世界各地で自由が後退し、監視と規制が目立ち出しました。
驚いたのはアメリカで、移民だけでなく一般人に対しても思想統制まがいの動きが始まっていることです。
トランプ政権に批判的なハーバード大に対し締め付けが強化されていることは有名ですが、こんな事例まで…

フランス国立科学研究センター(CNRS)から派遣されたフランス人科学者が、入国審査官によって、スマートフォン内のトランプ政権を批判するメッセージを発見されたことが原因で、米国への入国を拒否された。また、カナダへの週末の旅行から帰国しようとしたニューハンプシャー州の不動産弁護士が国境で足止めされ、Eメールの中身を調査されたこともあった。

欧州諸国では、アメリカを中国並みの「敵対国」と見做して、渡航に対し注意喚起をしているそうです。

ですが、日本でもこんな情報があります。
悠仁クンが通い出した筑波大では、単なる警備強化にとどまらず、憲法違反まがいの事例も報告されるなど、学内の統制強化が進行中のようです。


noteに掲載された問題記事は、どんな力が働くのか、意外と早く消されてしまうことが多いので、以下にスクショしておきましたが、危険な時代になったものです。

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すでにどこかに書いた気もするし、書かなかった気もするが、僕は筑波大学(茨城県つくば市)の学生である。この大学は最近話題に事欠かない。なぜなら皇族が一人入学したからである。
 端的に書くと、この皇族の入学によって(かどうかは分からない部分もあるが、一部分については疑いようもなく)大学のすがたは大きく変わってしまい、いくら筑波大学がそれまでも学問の自由や大学の自治とはかけ離れた性質をもち、僕を含めた学生の多くがそのことについて諦めていたとしても、僕としては看過できないところまできた。とりあえずメモ程度に、いま筑波大学で起きていることをここに書き留めておきたい。
 まず、すでに大勢の筑波大生に悪評高い、皇族が所属する学類(註:筑波大学は学部学科ではなく、学群学類制)の授業が行われる建物の出入り口への警備員の配置である。警備員は従来から筑波大学が契約していた会社の人員ではなく、また新たな警備会社(アルソック)からきているようだ。腰には警棒を携えている。学類生向けへの授業も多く開講されているこの建物へ入る者は例外なく学生証を提示しなければならない。TWINSと呼ばれる学生教育システムにログインし、自らの身分を示す画面の提示でも学籍を有することを示すことができるが、それは学生証の代わりにはならないようである。したがって、学生証を忘れた者は手間と時間をかけて入構許可をもらいにどこかの窓口へ行かなければならない。また、この警備上の都合から建物と建物とをつなぐ連絡通路の何か所かが閉鎖され、学生がこれまで享受していた利便性が損なわれている。
 つぎに、全ての授業の教室情報が学外者に非公開になった。教室情報は、学内者のみがアクセスできる場所に置かれたExcel/PDFファイルをダウンロードし、学生が履修する授業をファイル内で検索することで入手するようになった。かつては、シラバスを閲覧できるKdbというWEBサイトに公開されており、学生はシラバスから履修計画を検討しながら、教室情報を入手することが可能だった。
 さらに、個人的な以下の経験を付け加えたい。先日サークル活動後に、僕を含めた多くのサークル構成員が警備員から高圧的かつ過剰なもの言いを受けた。これは昔からだが、筑波大学のサークル施設は施錠の管理を警備員が担っており、決められた時間に施錠のために警備員が巡回に来る。このこと自体にも不満が僕にはないわけではないが、そのために部屋から出ろというのはいったん理解する。しかし、その後建物の前で集まって会話を続けていたら、早く解散しろ、聞こえないのか、と何度もうるさく主張してきたのだ。
 僕はこの件をTwitterで、前にはなかったことだとつぶやいた。すると、引用リツイートにて、このように言われるのは皇族入学以前にも、頻度は少なかったがあったことだと指摘を受けた(ちなみに僕も少なくない回数で施設を利用し施錠にきた警備員と会っているが、そのような経験はなかった)。なるほど、今回出会ったのは「ハズレ」の警備員なのだと理解しようとしたが、後日改めてサークルの代表者を通じて構成員全体に連絡がきた。その内容を要約・意訳すれば、「決められた時間(=施錠の時間)以降は外で長居するな」「警備員の指示には従え」「SNSに文句を書き込むな」(明らかに言論の自由の侵害であり、この点について特に配慮するつもりはない)というものだ。つまり先日の、過去にはあまり多くなかった警備員の対応は「ハズレ」なのではなく、今後のスタンダードとなるのだろう。また、そもそも「ハズレ」であろうがなかろうが、集会の自由という憲法に立脚した権利の侵害ではないだろうか。
 また、僕のサークルは規模が大きく、様々な意思決定に多くの時間をかけた話し合いが必要になる。この話し合いは授業やアルバイト等の時間をぬう関係で、活動終了後に夜遅くまでやるのが常である。従来は大学内のフリースペースを使用していたが、先日も同じように話し合いをしていたら、やはり警備員か職員に解散させられてしまったらしい(この件は詳しく聞いていないので、細かいところで間違っているかもしれない)。いずれにせよ、大学の警備強化は課外活動までその負担がおよんでいる。
 筑波大学のこうした傾向は、皇族の入学以前にも確かにあった。学長の任期撤廃は言うまでもなく、大学院組織の改組・再編、軍事研究をしないという基本方針にもかかわらず防衛装備庁が20億円を出しその成果の軍事転用の可能性が高い研究推進制度への応募・採択、出席点の比重をかなり大きくする形への成績評価制度の変更など、学生なき改革の例は数えきれない。主にバス停の周辺を中心とした「不正」駐輪の排除や、「喫煙所」に置かれたソファや椅子などの撤去もそこに加えて良いかもしれない。「開かれた大学」という筑波大学の理念が欺瞞に満ちていることはすでに誰もが知っている。確かに大学のすがたは今年度からさらに悪い方向へ大きく変わってしまったが、皇族の入学はその大した要因ではないのかもしれない。
 学生が不当な苦労を強いられていることからはもちろん、本来大学の空間や知識は公共に開かれていなければならないはずであることからも、筑波大学の現状は批判されるべきだろう。あらゆる属性(当然学籍もふくむ)にとらわれずに、あらゆる権威から独立した状態で人びとが研究活動に従事できることで、憲法第23条に保障された学問の自由な発展が可能になるはずである。筑波大学の現状は学問の自由の侵害と言って過言ではない。さらに付け加えると、学生の自主的な労力をかけた運営によって成り立つサークル活動についても、構成員以外のすべての学生はもちろん、教職員、ひいては地域住民も、その寄与を受けてきたはずである。僕の所属する文化系サークルも、茨城県つくば市の経済や市民の文化の享受に──まだまだいくらでもその方面に向けてのやりようがあったと僕は思いつつも──少しは貢献してきたはずだ。そうした課外活動を制限することは何も良いことを生まない。
 筑波大学の現状は相当ひどい状態にあるが──そしてこのことは皇族にとっても不幸なはずだが──、このまま何もしないで放置すると、さらなる権力の監視強化がシームレスに訪れるのではないか。たとえば、人文社会学系棟の大学院生のための院生室はいまでこそ24時間開放されているが、夜間には開放されなくなるかもしれない。課外活動のための施設利用はさらに制限されるかもしれない。そうした恐ろしい監視社会にしないために、少しでも抵抗の道筋を考えたい。具体的な方法はまだ分からないが、まずは同じ問題意識を持つ人どうしで話し合い、考え合うことが必要だと思う。とりあえず、このような文章を書いてみた。

川上皓陽(かわかみこうよう)
―人文・文化学群人文学類4年・kouyou.20031129[at]gmail.com

コメント

leoncoco さんの投稿…
ご存知かもしれませんが、昭和天皇が秀才の常盤宮?から東大進学を希望されれたら『国民の席を奪ってはならない』と述べられたのはご立派ですね。
kenkouhoushi さんの投稿…
おっしゃる通りと思います。
常陸宮は学習院を出られてから東大の大学院に進まれ、研究者として表彰もされるなど、実力もおありだったそうですね。
バイニング夫人は、昭和天皇の後継は(尊大な小物)明仁より常陸宮の方がふさわしいと述べたとか。
頂点に立つ人に求められる資質は「英明」だと思います。
悠仁の警護にかかる費用は一日一千万だそうで、こういうことはしてはならないはずです。

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