アルツハイマー病やパーキンソン病は伝染する?
驚くような情報です。
アルツハイマー病やパーキンソン病は狂牛病(BSE)やクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)などと同じ「プリオン病」であり、人から人へ感染するというのです。
プリオン病は最初、ニューギニアの食人習慣のある部族の間で奇妙な病気が流行していることから発見され、クールー病と呼ばれました。病気は「震え」「歩行困難」「会話不能」「筋肉制御不能(笑いなど)」といった、まるでパーキンソン病のような症状を呈します。
クールーとは現地語で震えや恐れを表す言葉だそうです。
この部族は人が死ぬとその脳を食べる習慣があり、それが感染を引き起こしていたそうです。
その後、牛にも同様の症状を示す病気が見つかり、狂牛病(BSE)と名付けられましたが、その後この病気がヒトに感染することが判明し大騒ぎになったことはよく知られています。
当時、牛の餌として牛の肉骨粉が与えられていましたが、クールー病からの類推として、共食いが人や動物を狂わせるのだという説が有力でした。
バチが当たったんだ、と。
狂牛病とは独立に、ヒトでもクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)という類似の病気が知られていて、その症状もパーキンソン病やアルツハイマー病と非常に良くにています。
こちらはさすがに食人とは無関係で、遺伝や患者からの(角膜移植などを通じての)感染が原因して発症するとされています。
これらのいずれに於いても、体内のある特定のタンパク質(これを総称してプリオンタンパクという)が何らかの原因で異常構造に転化し(異常プリオンタンパク)、それが正常なプリオンタンパクに接触するとこれを異常プリオンタンパクに変えてしまい、かくして長い年月が経つうちに大量の異常プリオンタンパクができてしまうことで発症します。
タンパクは病原体ではありませんが、あたかも細菌感染と同じようにして広がっていくので、これも「感染」と呼ばれています。
私が気になったのは、クールーやBSE、CJDが人に感染するなら、パーキンソン病やアルツハイマー病も感染するのではないかということです。なぜなら、パーキンソン病やアルツハイマー病の原因であるαシヌクレイン(レビー小体)やアミロイドβはいずれも異常プリオンタンパクだからです。
私の調べた結果は、イエス!
つまり、パーキンソン病やアルツハイマー病は人に感染する可能性があるようです。
ただし、空気感染や接触感染はないので、患者の組織を直接体内に取り込まない限り大丈夫のようですが、それでもこれらの病気の患者さんから角膜移植を受けたりするのはリスクがあるということになります。
また、クールーやBSE、CJDは致死率100%の病気とされていますが、潜伏期間は長くても発症してからの生存期間は非常に短命です。これに対し、パーキンソン病やアルツハイマー病は比較的長期間存命します。この点が大きく違いますが、しかしいずれも完治することはないので、致死率100%の病気と言っても誤りではなく、不気味ではあります。
コメント