アルツハイマー病、パーキンソン病はこれで改善できる?
BS1スペシャル『大切な記憶は何ですか』という番組(録画)を見ました。
アルツハイマー病の「生活改善療法」の報告です。(番組はNHKがネットで配信しているはずです。)
現在、認知症の治療はアミロイドβを除去する薬の開発に焦点が向けられていますが、米デール・ブレデセン医師により開発されたReCODE法は、「アミロイドβはアルツハイマー病の原因ではなく結果である」という考えに基づいて、病気の様々な原因を生活習慣の改善により総合的に潰していく方法として提案されました。
アルツハイマー病はパーキンソン病と同根の病であることから類推すると、この方法はパーキンソン病にも有効ではないかと思いました。事実、報告が掲載されていたのは「Journal of Altzheimer's & Parkinsonism」という雑誌でした。
デール医師によれば、アルツハイマー病の原因は
- 糖質過剰(インスリン過多)
- ビタミンDなどの栄養素の不足
- ホモシステインの増加(脳の栄養不足)
- 甲状腺ホルモン異常
など36もの要因が絡む複合的なもので、それがニューロンの表面にあるAPPというタンパク質を不適切な形で切断するためにアミロイドβが生成されるそうです。
従って、これらの要因をなるべく多く改善できれば、病気は良くなっていくという仮説を立てています。
これまでReCODE法により、軽度認知症(MCI)患者の70%、早期アルツハイマー病患者の30%が改善されているそうで、47歳で発症した日本人の例も取り上げられていました。
彼の場合、効果は四ヶ月目から現れてきたそうです。
初期のインタビューでは、父親との大事な思い出を忘れてしまったと涙ぐんでいましたが、最後のインタビューではその日の思い出を詳しく説明していました。思い出せたわけです。
ReCODE法では患者一人一人の血液やDNAを調べ、各人の問題点を全て洗い出して生活改善メニューを作成し、医療側(ヘルスコーチ)と二人三脚でそれを実行していくのでとてもコストがかかります。しかも保険が効きません。
日本人の例では、検査だけで40万円かかったと述べていました。また、ある米国の患者の場合では、これまでに700万円ほど使ったと言っていました。
コストがかかるのがこのcustomized medicineの最大の問題のようです。
その原因の一つは、薬物治療に頼る医学界がReCODE法を認めようとしないため、保険の対象にならないことにあると述べられていました。
しかし、大筋では全ての患者に共通するメニューとして以下のものが挙げられていました。
- 食事:野菜中心とし、糖質はできるだけ控える。ブロッコリは解毒作用が高い。
- サプリ:特にビタミン類。
- 運動:毎日30分以上の有酸素運動+筋トレ15分/週4回以上。
- 睡眠:8時間以上。
- プチ断食:夕食は寝る3時間前まで。翌日の朝食まで12時間以上空ける。
- ストレス軽減:瞑想。
ただ、これだけでは十分ではないようで、人によっては室内のカビや大気汚染などによる毒物の影響が大きかったり、歯周病が原因であったりし、これらの個別要因は血液検査でないとわからないそうです。
それはともかく、このメニューに従って体質改善に取り組んでいる人たちは、皆驚くほど熱心でした。
例のコールドトレーニングの創始者ヴィム・ホフは3本目の柱として
コミットメント(命懸けで取り組む)
をあげていましたが、あれはこういうことを指していたのに違いないと思いました。
私はアルツハイマー病にもパーキンソン病にもなりたくないので、ReCODE法の勧める体質改善プログラムに本気でコミットするつもりです(部分的にはすでにやっている)。
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