石田純一
図書館でリユース本といって廃棄処分にする本を来館者にプレゼントするサービスがあります。
かなり以前ですが、そこから持ってきたのが
石田純一『マイライフ』
でした。
なんで私が石田純一?と思われるでしょうが、彼が健康オタクだという噂を聞いていたので興味があったのです。
マイライフとあるように、この本は彼の日々の生活を日記ふうに記したもので、どこかに連載していたのかもしれません。
期待して読み始めたのですが、健康オタク的記述はあまりなく、全編これナンパ一色と言う有様で正直うんざりしました。
こんな具合です。
そこそこいいワインがあるオイスターバーで開かれた食事会。冬だと言うのに、四人いた女の子の中で、サヤだけがノースリーブの洋服だった。紺色のパーティ服から伸びる腕がほっそりしていてキレイだった。「腕、キレイだね」って何気なく言ったら、「だって若いもん」。それが最初に交わした言葉。ちょっと生意気なところが気に入った。
それからも、わりとマメに連絡を取るようにしていた。向こうも警戒して、最初は他の女の子を連れてきていたけれど、そのうち安心したのか、一対一でも会うようになった。
私とは無縁の芸能セレブの世界で、こんな出会いと別れを延々と繰り返す生活には、ひがみではなく、ちっとも魅力を感じないばかりか、以前抱いていた好感も消えていきました。
虚しくならないのかね。
こんな記述もありました。彼の女性観がよくわかります。
ふと、三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎の逸話を思い出した。明治維新後、新政府の役職を歴任し、引退後も元老として活躍した井上馨が惚れた女が、なんと、岩崎弥太郎の女だった。ところが弥太郎は、ある席でのしをつけてその女性を井上馨にあげると言い放った。しかも皆の面前で。もらった男の方は、照れくさいし、まさか大三菱の岩崎の惚れた女をいただくとはと、面くらったことだろう。それを、ホイっと、「よかったらどうぞ」と差し出す男の器量を、僕はおしゃれだと思う。
健康オタクの話に戻ります。
彼が熱心な健康オタクである理由は、どうやらこうした女性遍歴をいつまでも続けたいと言う動機が元になっているらしい記述がありました。
僕が朝走ったり、多少無理をしてでも規則正しい生活を続けているのは、徹底して、加齢に抗おうという、戦闘態勢の表れなのかもしれない。僕が今、一番恐れているのは、生理的に嫌われること。女性に嫌悪感を持たれるようになったら、ちょっと哀しすぎる。
とか、
年齢は意識しないようにしているけれど、「あと十歳若かったら・・・」と思うことはある。十八歳の子と楽しい時間を過ごしていて、こっちがドキドキしていても、
「でも、うちのお父さんより上だしな」
とか、リアルに言われると、流石にへこむ。
とか。
石田純一の日々のストイックな生活はこんな具合です。
午前五時二十分。まだ眠い。それでも5時間寝たから、まあまあの睡眠だ。夏はヘインズのTシャツが寝巻きがわりなんだけど、弱めにクーラーをかけておいたのに、起きたらじっとりと汗ばんでいた。海洋深層水を一口飲んで、軽くシャワーを浴びたら、ジムに直行。ちなみに、僕が通っているジムは、朝の五時から開いている。いつも通り、四十分のランニングで汗を流す。
(中略)
オーガニックのグラノーラを少しと、ヨーグルトってのが定番メニューだ。ヨーグルトにはきな粉--特に丹波の黒豆はオススメ--と小麦の胚芽を混ぜる。小麦胚芽は、栄養的にもいいし、食感と香りが出て、絶妙。それと、メイプルシロップをほんの少し。本物のメイプルシロップは楓の樹液なので、体にもいいし、とてもやしい甘さだ。
彼は別のところで、自分のアンチエイジングの三本柱は
- 走る
- ナチュラルなものを食べる
- 楽しく暮らす(悩まない、ストレスフリー)
であり、そんな自分を"自己管理の鬼"と表現しています。
その他、本書には彼の生活の断面がいろいろ書かれていて、彼に興味のある人にはたまらないかもしれません。
たとえば、彼は週に二冊、本を読んでいるほどの読書好きだとか。
また、たとえば、彼は10代の頃から元気をもらえる言葉を大学ノートに記録しておき、機会があるとそれを読み返すのだそうです。
いくつかピックアップすると
- See good, Think good, Speak good, Do good ! (いいものを見て、よく考え、余計なことは言わず、良い行いをしなさい! サイババの言葉)
- 今日一日、怒らず、怖れず、悲しまず、正直 親切 愉快に・・・(中村天風の言葉)
- 朝は希望で起き、昼は努力に生き、夜は感謝で眠る
- (常に)心は晴れ晴れ、生き生き
そんな石田純一もコロナ禍でのゴルフや会食が発覚したことで今は絶不調。仕事は全部なくなり、成城の豪邸は手放し、理子夫人(46)との離婚の噂(石田の不倫疑惑)も流れています。
息子のいしだ壱成もうつ病で仕事がなく、24才年の差婚だった妻とも離婚したそうです。
そんな石田純一は、島田紳助にこう言われたそうです。
石田さん、散々好き勝手やっといてハッピーな老後が待っているなんて思ってないですよね? 俺たちみたいな男は最後は一人で死ぬんです
うーん、なんとも裏寂しい感じがします。
最近の写真を見ると、もはや完全なおじいさんですし・・・。
コメント
素敵だと思った事はありません。想像通りの軽い人でした。私も同じですので、わかる気がするのですが、頭が悪いのです。その能力で本を書いたり世間に発言することを恥ずかしい事と思えない、自分を客観的に見れないのが不思議です。
天網恢々・・・でしょうか。
せっかく読み始めたのだからと、最後まで読み通しましたが、あまり得るところはなかったです。