国だけではない

昨日も今日も絶不調で、一日家にこもっていました。
朝はまあまあ普通に起きられるのですが、いつもならそれから1時間もすれば霧が晴れたように頭がスッキリするのに、今回はどんよりしたままなのです。
何かをする意欲が湧きません。

原因はほぼわかっています。
一つは天気が良くないこと、また、二週間続けて週3回のジム通いをやり遂げたので疲れが溜まっていること・・・などもあるでしょうが、なんと言ってもウクライナのことが頭から去らないのです。
特に、マリウポリの製鉄所の地下に隠れている人たちの映像を見てしまってからがいけません。
まるで幼稚園か小学校のように子供たちで溢れていて、皆口々に外に出たいとかわいい口で話していました。
そこを今ロシア軍が総攻撃していて、彼らは避難場所の広大な地下室に海水を入れて全員溺死させると述べているそうです。
毒ガスを吹き込む案も検討されていると伝えられています。

ロシア軍は命が助かりたければ投稿しろと呼びかけているそうですが、数年前のクリミア紛争では投降した者はほとんど全員が虐殺されたのだそうで、それを知っているウクライナ側はなぶり殺しに遭うくらいなら死ぬまで戦う決意だとか。
私が同じ立場でも、子供たちと共に自決する方を選ぶかもしれません。
ちなみにこの無法部隊の隊長は、昨日プーチンによって(よくやったと)表彰されたそうです。
プーチン・・・どこまでも許せない人間です。


ところで、今回の戦争では、スマホで現場の動画が即座に送られてくることにより、世界中の人々がリアルタイムで何が起こっているかを知ることができます。
湾岸戦争はCNNが現地から映像(戦闘場面やスマート兵器からの映像など)を送ってきた劇場型戦争でしたが、今回はさらに現場密着型となり、戦争の実相がよりよく知られるようになりました。
これはもちろんインターネットの力ですが、実はここにも新しい戦争参加の仕方が見られます。

侵攻当初、ロシア軍はテレビ塔や基地局などの通信インフラを攻撃し、インターネットの接続率も20%くらいに急降下しました。
ところが、ウクライナの第一副首相兼デジタル改革担当相という人がTwitterでイーロン・マスクに「Starlinkをウクライナでも使えるように基地局を提供してほしい」と救いを求めたのだそうです。
Starlinkとはイーロン・マスクがやっている衛星を使ったインターネット接続サービスです。
このやりとりは全てインターネット上に残されていて、誰でも見ることができます。

経過を記すと、
2月24日 ウクライナ侵攻開始
2月26日 デジタル改革担当相がTwitterでイーロン・マスクにStarlinkの提供を要請
10時間27分後 イーロン・マスクがTwitterで返信「Starlinkをウクライナで使えるようにした。地上局もまもなく届く」
2月28日 デジタル改革担当相がTwitterで写真と共に「Starlinkが届いた。サンクス」
何というスピード感!

このStarlinkですが、基地局は片手でも持ち運びできる小さなパラボラアンテナ付きの装置で、そこにWiFiルーターを接続すればあたり一帯で無線インターネットが利用できるようになります。
空には2,500基もの衛星が低高度(宇宙ステーションより少しだけ高い)で飛び回っていて、その通信速度は光回線並みの大容量(200MB/s)だとか。
飛んでいる衛星があまりに数が多いので、攻撃衛星で少々破壊しても効果がないとされています。
イーロン・マスクはEVで有名なテスラ社以外に、火星に人を送るスペースXという会社をやっていますが、このStarlinkもそのスペースXのサービスなのだそうです。

私が注目したのは、スピード感もさることながら、民間の事業者が国家と同列で戦争に参加していることで、今回の戦争は国と民間の有志(オタク)が一緒になって戦っている点です。
政府が取り組んでいる戦争に民間が協力している、というのではありません。
これは許せない、正義は実現されなくてはならない、という熱い思いから、できることを勝手にしているという感じです。

先日のBSプライムニュースで取り上げていましたが、GAFAMもそれぞれ、いわば勝手にこの戦争に参加しているそうです。覚えている範囲では、
  • Google:アンドロイドスマホにウクライナの空襲警報システム(日本の緊急地震速報みたいなもの)を実装
  • Amazon:ポーランドやチェコに人道支援向けの倉庫を設置
  • Facebook:ロシア側のフェイク情報を削除
  • Microsoft:ウクライナに対するサイバー攻撃を発見しウクライナに通報して未然に防御

なお、番組では、出席していたヒゲの隊長(佐藤氏)が、ウクライナ侵攻は20世紀対21世紀の戦いだとロシアの遅れを指摘したあと、しかし中国は国をあげてハイブリッド戦を研究しており、量子技術においてもAIにおいても日本は大きく出遅れていると心配されていたのが記憶に残っています。
中国はこんなもの(=ロシア)ではないから舐めたらあかん、そうです。
そして、学術会議の抵抗を排除し、「産官学自」の体制で軍事研究開発に取り組む必要性を盛んに述べていたのが印象的でした。

この一件で、パラダイムは大きくシフトしました。
あの平和主義のフィンランドがロシアの恫喝を物ともせず、即座に、断固としてNATOに加盟する姿勢を見せたのは、その一例です。
まだまだこの侵攻を対岸の火事視している日本は、またしても大きく出遅れ、致命的な打撃を被ることになる可能性を私は心配しています。


夕食は筍ご飯とカツオのたたき。最高!!!

コメント

leoncoco さんの投稿…
私も絶不調です。
義弟のお葬式、毎日流れるウクライナの惨状、ダメ押しは重度の坐骨神経痛です。
今日、整形外科で股関節に異常なしといわれたので、馴染みの指圧に行ったら坐骨神経痛だそうです。
少し元気になりました。
kenkouhoushi さんの投稿…
義弟さん、亡くなられたのですか・・・。
膵臓癌とお聞きしましたが、あれは手遅れになることが普通だそうですから。
私よりほんの少しお若かったと思いますが、もう少し生きたいと思われたことでしょう。
無念でしたね。
ご冥福をお祈りします。
妹さんのことが気がかりでしょうが、leoncoco さんもあまり気に病まずにお過ごしください。

坐骨神経痛は様々な対症療法があると思いますが、マッサージや電気治療など効くことが多いそうです。
歳をとるとホント、元気が失せるようなことがいろいろありますね〜。
leoncoco さんの投稿…
妹は現状を理解してませんが、身体は健康で穏やかな認知症となりました。

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