『ザイム真理教』
森永卓郎さんの名著を初めて読みました。
内容は、私にはほとんど異論がなく、表現もわかりやすくて1日で読み上げることが可能でした。
冒頭、財務省がいかに現代の帝王と化しているか、その具体的な事例を挙げて解説していましたが、文字通りのけぞりました。
ほんど漫画です。
一つコメントするなら、財務省がまちがった経済政策をとり続けるのは、彼らが東大法学部の出身で経済学の素養がないからだ、という主張は片手落ちだということです。それだけでなく、その間違いを正す力量のある経済学者がいないということではないでしょうか。
(堂免信義さんや私の著作を評価する経済学者が皆無なのもの同根!)
また、森永さんがアベノミクスを高く評価する姿勢に、かねてより違和感(中途半端な印象)を抱いていましたが、本書を読んでその理由がよくわかりました。
安倍さんも財務省にはかなり手こずっていたんですね。
あとがきにこんなことが書かれていました。
今の政府の戦略は「死ぬまで働いて、税金と社会保険料を払い続けろ。働けなくなったら死んでしまえ」というものだ。この政策から逃れる方法は一つしかない。
それは、高い生活費をまかなうために、必死で働いて増税地獄のなかに身を置く都市生活を捨て、田舎に逃避し、そこで自給自足に近い生活を送ることだ。
そして、低所得なら大きな税金も社会保険料もかからないし、自分で育てた野菜や太陽光発電した電気や井戸水には消費税はかからない、近隣同士でのおすそわけや不用品交換も無税だとして、「自産自消」生活を送れと提言しています。
それがザイム真理教に献金している今の生活から脱出する唯一の方策であると。
一読の価値ある本と思います。
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