トランスジャパンアルプスレースの選手の言葉

昨日の投稿の中で触れた「未知の自分に出会う」件です。

昨年からトランスジャパンアルプスレース(TJAR)の報告書を読み続けています。各選手がびっしりと試合の経過や装備、体の様子、反省点など書き綴っていて読み応え十分ですが、印象に残る感想がいくつかありました。
自分の限界に関するものです。

TJAR2016のビデオに栗原葉子さん(愛称葉っぱちゃん)という女性選手が登場しますが、彼女が北・中央・南とアルプスを全て走り終え、最後の85kmのロードを太平洋に向かって走るシーンで、意識朦朧となりながら「どこなんだろうなあ・・・」と何度もつぶやくのが印象的でした。自分の限界を探っていたのだそうです。まだ走れるのだから、ここが限界ではないというわけです。
このレースに出場する人の中には、この機会に自分や自分の限界について知りたいと願う人がかなりいるようです。それと類似のコメントが、いくつか見つかりました。
  • 多くの「自分」に気づくことができた
  • 追い詰められたレース後半に<弱い自分に抗う自分>がいたことに驚き、誇らしく思った
  • 一瞬一瞬を精一杯生きることの積み重ねによって人間は自分の限界を少しずつ引き上げることができると実感した
  • 限界は自分が決めるものだと言うが、まさにそれ
  • 人生最大の喜怒哀楽を全部体験できた
  • 情報が溢れている社会だが、自分のことは自分しかわからない
  • たった一週間の旅でここまで心身を揺り動かされたのは初めて

こうしてそれまで自分の知らなかった自分に出会えた選手たちは本当に幸せそうでした。

  • 一生の宝物
  • 幸せと感動のあまり最後は泣きながら走っていた
  • 思い残すことは何もない!

ここまで言わせるイベントは他にないのではないでしょうか。
そして、何がこのチャレンジを可能にしたかについて、誰もが似たような感想をお持ちだったのが印象的でした。

  • 日々研鑽に努めている者しか出走できない日本一の山岳レース
  • どんな困難なことも気持ちが続けば達成できる
  • 大変なことしかないが諦めなければ夢は叶う
  • どれだけ準備してきたかが必ず結果として現れる
  • やるかやらないか!です

その他、参考になったコメントも付記します。

  • 必要なのは持久力と回復力
  • トレーニング以外の時間は家族のために出来ることを全てやる
  • いくら苦しくてもTJARは楽しい遊びなんだから、完走できたからと言って人生で何でも出来るとは思わない
  • 心の深部から様々な感情が湧き出てきたが、ポジティブなものを前に進む力に変えネガティブなものをスルーする良い訓練になった
  • 楽しみを優先したら後が苦しくなった

こんな歳になって、と言われるかもしれませんが、このピュアな気持ちと熱い情熱は忘れてはいけないとあらためて思いました。
こんな感想を記した人がいました。その通りです。後期高齢者の私も彼らから元気をもらいました。

  • 自分のチャレンジが他人に連鎖することを知った

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