ヒロシのぼっちキャンプ(BS-TBS)
最近ハマってます。
ヒロシという芸人が一人でキャンプするという番組ですが、たまたま見たシーンが良かったんです。
途中からなので、それまでの経緯は知りませんが、テントを張って焚き火をします。
そして、今日はボクの誕生日だからケーキで祝うんだと言って、ケーキを作り始めるのです。
ちなみに、全てのシーンは彼一人で、しゃべりも独り言です(稀にカメラマンに話しかけることもありますが)。それがまた独特のさびしいしゃべりで、ひしひしと孤独感を感じます。
ケーキと言っても、スポンジ生地のパンをベースにしたもので、パンなどは全てここに来る途中のコンビニなどで調達してくるみたいです。
まず気になったのが調理台。
別にまな板など用意しているわけでなく、そこらで拾った?平らな石の上で作業します。
そして、おもむろにバナナを取り出して薄く切り出すと、パンの横っ腹にナイフで切り込みを入れて押し込みます。
それから焚き火の上にコッヘルを置き、買ってきたキューブ型のチョコをいくつか放り込んで溶かそうとするのですが、火力が強いのか溶ける前に焦げ始めます。
そうか、湯せんするのか、と言いながら別の鍋でお湯を沸かし、そこにコッヘルを入れてみるのですがうまくいきません。ついにお湯で溶かしたほうが早いと言ってお湯を投入するのですが、予想外に全体が固まってしまいます。
ヒロシは大ショックです。
ここは、本当は笑えるところなんでしょうが、裏寂しさ満載でこちらは黙り込んでしまいます。
結局、怪しげな形になったチョコをパンの上に置き(本当は溶けたチョコを流しかけたかった)、その上にイチゴを一つ置いて出来上がりとなりました。
食べてみると、チョコはイマイチだったようですが、パンの中にバナナが入っていたのがケーキっぽくて意外と良かったそうです。
しかし見ている側としては、誰もいない広いキャンプ場にぽつんと張られたテントの前で自分の誕生日のケーキ作りに失敗しているヒロシの独り言を聞いていると、まさに陰々滅々、孤独感だけが際立って感じられ、本当に淋しい感じに包まれます。
それが良かったです。
この人、陰キャで売っている芸人だそうですが、実物も本当に陰キャなんだそうです。
ここで連想したのは山頭火でした。
放浪の俳人である種田山頭火は、世捨て人でもあり、陰キャが際立っています。
こんな句を読んでいます。
酔うてこおろぎといっしよに寝ていたよまっすぐな道でさみしいあの雲がおとした雨にぬれている寝床まで月を入れ寝るとするついてくる犬よおまえも宿なしか草しげるそこは死人を焼くところ焼き捨てて日記の灰のこれだけかおちついて死ねそうな草萠ゆる
陰キャ好きです(笑)。
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