宇宙際タイヒミュラー理論

いま、我が家で熱い視線を集めている単語がこれです。
家内がどこかで聞き齧ったようで、ある日「数学の望月さんという有名な先生、知ってる?」と聞かれたのが発端でした。
私の知っている望月さんは、第一にトランス・ジャパンアルプス・レースのレジェンド望月省吾さん、続いて難解な「ABC予想」を解いたとされている望月新一さんの二人です。
「あの、宇宙なんとかいう理論の人?」と言ったら「そうそう」と返ってきたので、今度はこちらがびっくりしました。
どうして家内が知っているのか?

特に秘密があるわけではなく、たまたま読んだ記事の中で「桁外れの天才」として紹介されていたので読んでみたが、文字通りチンプンカンプンだったので、私に聞いてみたのだそうです。
チンプンカンプンなのは私も同じで、どんな解説記事を読もうとしても歯が立ちません。

第一、数学理論、しかも数論なのになぜ「宇宙」が出てくるのか。
また「宇宙際」とは初めて聞く言葉ですが、意味すらつかめません。
もっともこれは訳の語感の問題で、原文は
 inter universe
ですから、intraとinterの違いから、異なる宇宙を結ぶ関係について何か論じているらしいことはわかります。また、ここでいう宇宙とは、物理学的な宇宙のことではなく、世界とか枠組みのような意味だと思います。

ABC予想は整数や素数を扱いますが、解説記事を読むと足し算的な(数の)見方と掛け算的な見方をいったん切り離して云々とありますから、切り離されたそれぞれの見方を宇宙と言っているのかもしれません。つまり、足し算の連続的世界(図形)と、掛け算の飛び飛びの世界(オペレーション)の間の通信を論じている?

(ここで、ある本で茂木健一郎さんが世界の本質は離散的(デジタル)で、連続性はその包絡線のような概念的な性質だと述べていたことを思い出しました。
関係ないかな?)

さて、この理論を考え出した人が京大の望月先生で、この人は5歳からアメリカで育ち、プリンストンで学位を取ったそうですから、英語はネイティブです。
したがって彼の論文は全て英語で、議論も英語、プリンストン時代から天才と評されていたようです。
メディアとは没交渉で、他人と不要な交わりはせず、自分の安否はホームページに時々
 “元気にやっています。”
 “I'm doing fine.”
と表示することで明らかにしているそうです。
こういうところは、私好みです(笑)。

そのページはこちら

彼の論文は500ページもあり、世界でその内容を理解している人は数人だろうと言われているところなど、かつてのアインシュタインを彷彿とさせます。
そんな人が日本人であると知ると、ちょっと鼻が高くなります。
(と自分の低い鼻をさすっています(笑))

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