ふじみ野市の猟銃殺人

埼玉県ふじみ野市で起きた猟銃による殺人事件、やりきれない思いでいっぱいです。
亡くなられた医師の方は本当にお気の毒です。

この事件に対して、各方面から様々な意見や指摘が出されていますが、私は何よりも
 身近な異常者に近づかない
ことを教訓として挙げたいと思います。
医療者の場合、それは難しいかもしれませんし、今回の例ではそれなりに用心していたようですから、このような教訓も役に立たなかったかもしれませんが、それでも念には念をいれ、万一の場合の対応シナリオを考えて行動するべきだったと考えます。
米国では訪問診療には警察官が同行すると聞いたことがあります。
日本もそのくらい治安の悪い国になったということなのでしょうか。

個人的な推測ですが、犯人は独身で異常なまでに母親に執着していたとされていますが、それだけでなく、仕事のない身で母親の年金を当てにしていて、それが(母親が死んで)絶たれたことで絶望したことも背景にあるのではないかと思います。
もしそうなら、この事件も最近のいくつかの類似の事件も、広い意味では「経済犯罪」であると言えるでしょう。
日本が豊かな国から貧しい国に急角度で転げ落ち、その過程で糧道を絶たれ将来に絶望した「無敵の人」が私たちの周りにわんさか居るとしたら、いつ何時彼らが起こす事件に巻き込まれないとも限りません。

先ほど、犯人のことを「異常者」と言いましたが、こんな人物が身近にいても「変な人」「風変わり」程度にしかとらえられていないのが現実と思われます。
しかし、その程度の変人がひとたび経済的に追い詰められると、想像もできない凶行に走るのです。
いくら自己責任論を振りかざしても、追い詰められた「無敵の人」には通じません。
そこまで追い詰めない社会に戻すことはできるでしょうか。

コメント

leoncoco さんの投稿…
命を助ける医者が患者の息子に殺されるとは、痛ましいでは片づけられない事件です。
無差別殺人が増えると危機管理の学者が言ってましたが、逆恨みもおきてこれから犯罪が
増えるでしょう。
コロナが生んだディストーピアでしょうか。
kenkouhoushi さんの投稿…
潜在的異常者がいかに多いかは、気に入らないことがあるとすぐねじ込んでくるモンスターなんとか(カスタマー、クレイマー、ペアレント、ペイシェント)、いじめやハラスメントの横行、SNSがすぐ荒れることなど、鬱憤の吐口を立場的に弱いものに向ける事例の増大を見れば明らかです。
彼らは弱いものには何をしても良いと思い込んでいます。
この傾向とひろゆきの言う「無敵の人」が重なると、常人には理解不能の惨劇が生じることになります。
警察力の導入と法的な対処を厳正に行うと同時に、人を(主として経済的に)追い詰めないシステムに舵を切らないとダメと思います。

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