終戦記念特番あれこれ

 終戦記念日前後には、多くの特集番組が放映されます。

今年もそのいくつかを見ましたが、いよいよ直接に戦争体験を語る世代が消えていきつつある感を強くしました、

私は親や親戚のおじさんから生々しい思い出話を聞きましたが、彼ら全員もうこの世を去りました。


先日のBS1スペシャルで、マルレという人間魚雷部隊の生き残りの人が、いよいよ出撃するというときに書いたという文書が紹介されていました。

こんなことが書かれていました。


生者必滅

会者定離


  ご検討を祈る 

      二郎

生きている者はいつか必ず死に、会えば別れるのが世のさだめなり・・・。


ご本人は直前で出撃命令が取り下げとなり、やがて終戦となったおかげで生きて帰れたわけですが、特攻して亡くなった戦友たちのことを昨日の出来事のように思い出して大粒の涙を流していたのが印象的でした。90歳をかなり超え、あるいはボケが始まっているかもしれませんが、ここだけは記憶も鮮明で語る言葉もはっきりしていました。


今日は、敗戦からマッカーサーが厚木に降り立つまでの15日間に日本人がどのように生きたかを取り上げるという珍しい番組で、日本人の意外なたくましさ(ふてぶてしさ)が面白かったです。


例えば


長谷川町子さんが終戦の翌日に初めて描いた漫画:一コマめでは少年兵二人が抱き合い「戦争に敗けた」と言って泣いているが、次のコマでは「ようし、何か作ろう!」と明るく大工仕事を始めている。その変わり身の早さ!(笑)


誠文堂新光社の社長が、終戦数日後に出版を決意した本は英会話のマニュアル本。わずか三ヶ月で300万部も売り上げたそうです。部下の社員や息子たちは敵性言語の本など・・・と反対したそうですが、社長は意に介さなかったとか。


秋田県のある美容室の話:終戦翌日に、第一号のお客が来て、パーマをかけてくれと言ったそうです。世の中がパッと明るくなったような気がして嬉しかったとのこと。


郡上八幡では、それまで禁じられていた踊りを誰いうともなく皆んなで踊り出したという話なども紹介されていました。


総じて、庶民、とくに女性は逞しいですね。


皇居前広場では切腹した人もいた一方で、さぁこれから明るい日々が始まると期待に胸を膨らませた人もいた、この違いはどこからきているのでしょう。

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