TJARは中止
昨夜は、12時少し前に土井選手のマークが動き出し、いよいよ槍ヶ岳へ向かって進み始めたなとウォッチ再開。
ここからは西鎌尾根という岩稜地帯で、真夜中にヘッドランプの明かりを頼りに進むのは危険だと思うのですが、彼はものすごいスピードで槍の肩に向かって爆進しています。
後で記録をみると、2時少し過ぎにチェックポイントの槍ヶ岳山荘を通過していましたが、私は起きていられずにベッドの中(笑)。
これはレジェンド望月選手の記録を30分以上上回る最速記録で、新星誕生は間違いないことになりました。
夜中にも時々起きては経過をチェックしていましたが、上高地のチェックポイントには朝の6時に到着しているという物凄さに本当に驚きました。
日本海を出てからわずか30時間で上高地なんですから!
その後も快進撃が続き、大正池、釜トンネル、中の湯温泉を抜けて沢渡へ向かっているとき、突然facebookにTJARを台風による荒天予報のため中止するというアナウンスが表示されました。
午前8時のことです。
ガーン!
一瞬、なんで?という思いがよぎりましたが、その後の拙宅での風の強さを体験すると、正しい判断だったのは間違いないと思いました。
選手の皆さんには、本当にお疲れ様でした。
この時点で土井選手は沢渡手前でしたが、二位の選手(前回優勝の垣内選手)はまだ槍ヶ岳山荘にいて、いかに土井選手のパフォーマンスがず抜けていたかがわかります。
残念だっただろうなぁと思います。
ちなみに、「大会中止基準」というものがあり、たとえば選手とスタッフの中からコロナ感染者が出たら即中止など、厳しいルールがいくつか定められています。
その中に、
- ヤマテンの「大荒れ情報」発令時。
- ヤマテン予報1日4回(6時間間隔)発表のうち、平均風速25m/s以上が2回以上(12時間継続)で想定される場合。
というのがあり、これに引っかかったのだと思われます。
(ヤマテンというのは有料の山岳気象専門予報サイトで、月額300円で詳細な情報が提供されます)
TJARはどんな悪天でも中止されないと言われてきましたが、過去に台風下のレースにおいて低体温症であわや遭難という事例が発生し、一部山小屋や関係機関から厳しい批判を受けたことがあります。
このような中止基準は、それを受けて作られたものだと思いますが、今回初の適用となってしまいました。
観戦者としては残念ですが、もちろん英断だったと思います。
誰も死なずに済んでよかったです。
・・・私の夏休みが終わりました(笑)。
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