不愉快な商法
私はシステム開発と画像処理目的で、アドビ社のソフトをMacで使っています。
元はCS3というパッケージ名で売られていましたが、近年アドビ社はそのようなパッケージソフトを売る商売からオンラインで機能だけ売る月額商売に転換し、サポートを打ち切ってしまいました。
しかし、パッケージソフトがあれば、新しいOSや機種に変更しても、シリアル番号を入れさえすれば使えました。
もちろん、OSがバージョンアップすると色々な不具合が発生しますが、世の中には物知りがいて、その都度様々な抜け道を探しては使えるようにしてくれていました。
今回のWindows10のクリーンインストールで見違えるように速くなったのを目の当たりにし、私もMacのOSを入れ直す(クリーンインストールする)ことを計画しました。
そしてあわよくば、OSもアップグレードしようと考えました。というのは、これまでCS3を使うためにOSのアップグレードをしないできたのですが、アンチウイルスソフトの方がそろそろ旧いOSに対応しないことになりそうだからです。
そこで手始めに使用しているMacOSをクリーンインストールしようと思い立ち、本日実行しました。
そこまでは良かったのですが、アプリをインストールしなおしていたら、アドビ社のCS3が認証できず使えなくなりました。ネットで認証できない場合は電話でできると画面に表示されているので、電話をかけましたが「現在使われていない」という素っ気ない返事が来るばかりです。
焦って色々調べまくった結果、次のことがわかりました。
- 旧製品のオンラインでのライセンス認証(シリアル番号の確認)はしないことにした
- 救済措置として、要求があればオフラインで永久に使えるシリアル番号を発行するサービスを提供していた
- そのサービスも昨年末で終了した
ひどいじゃないですか!
このような措置があるという連絡は、(広告メールは山のように投げてくるくせに)一度もありませんでした。ネットにも、知らなかったというユーザの怒りの声があふれています。
第一、10万円もするパッケージソフトを勝手に使えなくするのは、財産権の侵害です。
それも客を強制的に月額商売に誘導するための策としてですから、あくどいにもほどがあります。
ウチのような零細事業者は、高額な月額ライセンス料を払ってオンラインサービスを使うことはできません。
このソフトを買った時だって、まさかオンラインに移行するとは思っても見ず、少額のバージョンアップ費用を払えばいつまでも使い続けられると思っていました。
だまされ感がハンパではありません。
ところが世の中には、このようなアドビ社の経営を賞賛する向きが多いのです。
主に株をやっている人たちで、利益率が向上したと言って評価しているのです。
この手の人たちは、そこにしか目が向きません。私が株をやる人たちを嫌うのは、なんでも株価の上下だけで良い悪いを決め付けるからです。
ところで、普通ならこれで全滅でしたが、MacにはTime Machineという素晴らしい機能があり、ライセンス認証が通らないことが判明してすぐ一時間前に戻ることで、難を逃れることができました。
進歩はゼロでしたが、被害もゼロでした。
でも疲れました。
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