「日本沈没」1973

TVドラマの「日本沈没」がイマイチだったこともあり、今日はプライムビデオで1973年版の映画「日本沈没」を観ました。
感想を一言で言うと、
 別格
に尽きます。
小説を読んで面白いと思われた方は、一度観ておいて損はないでしょう。

まず、出演俳優がいいですね。
主人公は藤岡弘。いかにも70年代といった風貌で、あの頃はあんなだったなぁと懐かしかったです。
ちょっと暑苦しいですが(笑)。
異端の科学者田所博士は小林桂樹、そして現実にはあり得ないような立派な首相を丹波哲郎が渋く演じていて見ごたえがありました。

全体に小松左京の小説に忠実で、サスペンスも十分ありながら、哲学的な深みをよく出していました。
脚本が橋本忍と聞いてさもありなんと思いました。
もちろんCGなどなく全て特撮ですが、リアリティ十分で、2時間半の長丁場を飽きさせることなく終わりまで魅せてくれました。

そういえば、小松左京がチラとカメオ出演していました。小太り体型ですぐわかりました(笑)。
また地球物理の竹内均先生が、まんま学者役で出演し、プレートテクトニクスの解説をしていたのには驚きました。

TVドラマとの違いですが、あちらは哲学とは無縁のチャラい世界です。
「半沢直樹」や「シンゴジラ」と同じ目線で「日本沈没」を描くのでは、原作の持つ重い問い掛けを期待する方が無理というものでしょう。

久しぶりにいい映画を楽しみました。

コメント

leoncoco さんの投稿…
これは未だ観てないです。
「復活の日」を観て小松左京の偉大さを初めて知りました。
早速、鑑賞しますね。
kenkouhoushi さんの投稿…
エンタメとしても一級品と思います。
ただ、小松左京の思索は、「復活の日」においても同じですが、国と国家と国民と民族の問題にあり、さらにはハイデッガーやヘルダーリンの言う「故郷喪失(ハイマートロス)」なる実存的問題にも連なる壮大なもののように見えます。
それがこれらの作品をエンタメを超えたものにしています。
leoncoco さんの投稿…
観ました!
1973年製作で当時は画期的だったと思います。
大災害が起こった後の対策がきちんと描かれているのは、小松左京の想像力、分析力の凄さです。
地球内部の解説や地殻変動など勉強になりました。
生存されてたら、防衛大臣になってもらいたかったです(笑)
kenkouhoushi さんの投稿…
そうですね、防衛大臣は深い思索ができる人でないと(本来は)務まらないですね。
小野寺さんとか、よく勉強されている方もおられました。

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