『大滅亡(ダイオフ)』

田中光二のポリティカルSF(1974年発表)。
たまたま本棚で見つけ、再読しました。

NHKを彷彿とさせる放送局のディレクター雑賀は、洋上で取材中に大洋を埋め尽くす真っ赤なプランクトンの帯を目撃する。その日以来、世界の海はこの毒性プランクトンにやられ、それまでも深刻だった食糧危機が破滅的になっていく。

雑賀の周囲で異常が加速していく。
彼の妻を始め多くの女性が異常児を死産したと告げられ、終末思想に扇動された人々は巨大な資金力を誇る安楽死教団の勧める幻覚剤を使用した「解脱への旅」に参加して自殺していき、放送局の言論統制が目立ち始める・・・。

雑賀は安楽死教団の取材中に自殺志願者の中に父の姿を認めて取材から脱落し、地方の支局に飛ばされるが、そこで取材した自給生活を営むコミューンが一瞬にして何者かに破壊され、さらに人工地震らしき巨大地震に遭遇する。
妻はかろうじて倒壊する自宅から脱出するものの、同時に発生した凶悪なインフルエンザにかかって命を落とす。

やがて雑賀は恐るべき真相を知り、自身の生き方を大きく変えていく・・・。

異常気象を背景に人類が経験するいわゆる「陰謀論」:人工的淘汰や人工地震、ウイルス感染などで人口削減を図る勢力について、リアルな筆致で書かれていて読ませます。
もちろん現実には、各国の政府を横断するような極秘の人口削減プロジェクトなんてできるわけがなく、その前に国家間で戦争が起きるはずです。

ただ、災厄に見舞われている時に、さらに別の災厄がこれでもかとばかりに襲いかかるシーンの連続は、さすがに身のすくむ思いがします。コロナに洪水に地震が重なる可能性は今の日本でも大ありですから。

でも、一番恐ろしいのは戦争でしょうね。
これが重なって追い打ちをかけられたら、たまったものではありません。
ところが・・・。

習近平はすでに日本との戦争を覚悟し、尖閣諸島で操業する日本漁船を「中国領海での違法操業」と明言、「法に基づき追尾・監視する」とまで言い出しました。
次は武力衝突かもしれません。
「中国が先制攻撃を仕掛ける可能性が高いワケ」

米国は領事館閉鎖に引き続き、尖閣諸島防衛のための「日米統合機動展開部隊」常設構想を検討していると言われています。これ、日本はどうするつもりでしょうか。
米国から遠く離れた日本の領海で米国民の血を流すかもしれない構想です。
国土防衛を米国に丸投げして高みの見物を決め込むことはできないはずです。

しかし、政府の動きは以前にも増して不透明であり、中には相変わらず習近平国賓招待の復活を期待している向きもあるとか。

最近、米国は名指しで「二階、今井、公明党が獅子身中の虫」と批判していますが、政権内部にこのような強力な媚中派がいて相変わらず中国に秋波を送っているとしたら、日本に待っているのは悲惨な未来だと言わざるをえません。
野党ならともかく、どうしてこのような連中が政権内部に巣食っているのか。

古森義久さんが「謎と言うしかない二階氏の「過剰な親中」の理由」という論文を発表したので読んでみましたが、何も書かれていませんでした。
古森さんは知っていて書かないのか、圧力があって書けなかったのか知りませんが、媚中派の多くは中国に「借り」があるか、弱みを握られているか、どちらかだというのは公然の秘密です。

二階氏の場合は、奥さんが中国の世話で臓器移植してもらったためだと言われています。その臓器はウイグル人のものか、法輪功の信者のものか知りませんが、おぞましい話です。

また、一番多いのはハニトラだとされています。
昔、当時の橋本龍太郎首相がハニトラで中国に多額のODAを貢いでいたのがバレた話は有名ですが、思想的に共鳴しているわけでもない与党や政府関係者の多数が媚中派なのは、下半身がルーズだったためなのでしょう、きっと。

こういう獅子身中の虫がいる限り、日本は米国と歩調を合わせて中国に立ち向かうことはできず、結果的に尖閣諸島からひょっとしたら石垣島や沖縄本島までを失うことになりかねないと思います。
一番いけないのは、大手メディアがこの逼迫している日中関係を一切報じようとしないことですが。

今日もジムに行ってきました。


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