「この世界の片隅に」

たまたまテレビをつけたら戦争もののアニメをやっていました。
灯火管制下の夕食風景で、ちゃぶ台を囲んで一家が貧しい食事をとったり、空襲警報がなって防空壕に入ったり、遠くの空で敵の爆撃機が対空砲火をかいくぐって爆弾を落としたり・・・。
舞台となっているのは呉らしく、やがて隣の広島に原爆が投下されキノコ雲が山の向こうに見えたりするシーンがありましたが、映画はあくまで「銃後」の庶民の視点から描かれていて、それが新鮮でした。
とくに高射砲の弾幕が真昼の空にパパッと開くところや、焼夷弾が屋根を貫いて座敷に突き刺さり燃え出すシーン、畑にいた主人公のすずが機銃掃射を受ける場面などは、私が両親から聞いていた戦争体験そのもので、非常にリアルに感じました。
正確な時代考証を見ると、相当良く当時を知っている人が制作に関与していることを忍ばせました。



映画の終わりにクレジットが出て、「この世界の片隅に」というタイトルであること、クラウドファンディングで作られたこと、主人公のすずの声は能年玲奈(のん)さんが担当していることなどを知りました。
そういえば、登場人物の方言言葉はとてもリアルでした。
こんな映画があることを知りませんでしたが、心に深く残る素晴らしい作品だと思いました。
「戦争反対」や「ノーモアヒロシマ」は今や全く心に響きませんが、この映画の幾つかのシーンは心に刺さりました。

途中から見たので、今度は最初から見直したいと思います。

夕食はスパゲッティとスープ。

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